有名な作品には、田沢湖のたつこ像、長崎の26殉教者記念像、ダミアン神父などがあります。
その舟越さんの作品の一つ、聖クララ像との出会いは20代の頃。
画文集「巨岩と花びら」を読んだ時です。
写真の聖クララ像、特にその瞳に、引き込まれました。
切れ長の澄んだ瞳、悲しそうな目をしていると思いました。
その時から40年近く、いつか実物を観たいと思い続けてきたわけです。
舟越さんはアッシジのフランチェコ寺院で、一人の若い修道女を見かけます。
雨宿りするその人の横顔がこの世の人とは思えないほど美しく、
のちに舟越さんの中でその人が聖女クララになったと書いています。
ただ、おかしなことに一緒にいたお連合いがそんな人はいなかったと言っている。
不思議なエピソードです。
展示室は、親交の深かった松本竣介さんと空間を二分した広さ。
ゴルゴダ、聖ベロニカ、聖セシリア・・・
そして、ついに聖クララ像に会えました。
舟越さんの彫刻は、端正な作りで知られていますが、この聖クララも美しく、端正と言う表現がぴったりです。
そして、その瞳はやはり人を引き込むような深みがありました。
正面から、横から後ろからとまじまじと見る姿はちょっと異様だったかもしれませんが
ゆっくり時間をかけて、目の奥に焼き付けました。
写真にも撮りましたが、微妙な影が邪魔をして良くありません。
こんな表現は烏滸がましいのですが「巨岩と花びら」で見た写真は素晴らしいのだと改めて思います。
写真撮影OKのところが多いため、ずっと気になっていたことをスタッフの方に聞いてみました。
「SNSなどに投稿するのは・・・?」「それは〜(ご遠慮願いたい)」手振りと笑顔での即答でした。
青森の三内丸山遺跡の展示室の入り口には、写真に撮ってSNSに載せてね!と言うようなことが書かれていました。美術館とはまた違うのかもしれませんが、個別に聞いてみるのがいいのかもしれません。
横道に逸れました。
この時の企画展は日本画家・片岡珠子さんでしたが、時間に制限があったので、目的の舟越さんの作品をじっくり見るためコレクション展だけにとどめました。
コレクション展、全体的に良かったです。
新たに心惹かれる画家さんにも巡り会えました。
橋本花さんという青森県出身の方で昭和58年に78歳でお亡くなりになっています。
絵をお見せできないのが残念ですが、この時展示されていたのは「ブラジルの街」「津軽暮色」「津軽の春」の三作品。どの作品もその色使いに惹きつけられました。
満足満足(*´꒳`*)
館内から岩手山が見えます。
考えてみると、私たち(夫と)の旅は、先に美術館ありきと言う気がします。
観たい絵画展や美術館があるのでそこへ行く。
こうしてブログにまとめることでちゃんと自覚できました(//∇//)
この度も最後までお読みくださりありがとうございます。