2023年7月31日(月)
長野県岡谷市にあるイルフ童画館で、「絵本作家・かがくいひろしの世界展」を観ました。
「だるまさん」シリーズでたくさんの子どもたちの心を掴んだ作家さんです。
と、いかにも知っているような口ぶりですが、NHKのテレビ番組・日曜美術館で紹介されているのを観てはじめて知りました。
かがくいさんは、絵本作家としてデビューしたのは50歳の時、それからご病気で亡くなるまでの4年間で実に16冊も出版し、どの絵本も絶版になることなく今も増刷されているそうです。
これってすごいことですよね・・・(O_O)
特別支援学校の教員をしていたかがくいさんは、一人一人の子どもたちに合った教材も手作りしたそうです。
子どもとふれあう場面もビデオ放映されていて、観ていると温かい人柄と静かな熱意がじわじわ伝わってきます。
支援学校の子どもたちのために人形劇も手掛け、会場には小さな舞台と牛乳パックで作った人形なども置いていました。
展示会場で数々の絵本原画やアイデアの詰まったノート、出版されるはずだった絵本の案などを観てまわり、かがくいさんの子どもたちや絵本への思いを感じるとともに、泉のように溢れるアイデアへの羨望、「これからさらに」というところで亡くなられたことを惜しむ気持ちが絡みあいます。すると・・・
「だ・る・ま・さ・ん・が」とかわいい声が聞こえてきました。
声がする方を見ると、だるまさんシリーズの原画の前で、だるまさんの絵本を楽しそうに読む女の子。
こんな姿を見たら、かがくいさんもきっと嬉しいだろうな。
かがくい絵本が、子どもたちに愛されていることを垣間見た瞬間でした。
展覧会は9月16日まで開催されています。
私たちが観たのは前期の最後の日。後期は8月5日(土)から始まっています。
長野県の後は、岩手県、高知県、兵庫県と巡回するようです。
レトロな案内板。入り口に置かれていました。
会場のイルフ童画館は、岡谷市出身の童画家・武井武雄さんの作品を展示している美術館です。
有名な方なのでお名前は知っていましたが、初山滋さんや岡本帰一さんといった同時代に活躍された童画家と混同していたところがあったようです。
作品は、斬新でデザイン性が高く、全く古い感じがしません。
また版画、ステンドグラスや陶芸なども手掛け、細やかな手仕事が素晴らしく、多才な芸術家という印象が強く残りました。
いつもお読みくださりありがとうございます。